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首都大学東京数理情報科学教室・大阪市立大学数学研究所 共催

勉強会:数学とコンピュータ

日程 2008年5月22日(木)〜5月23日(金)
場所 5月22日(木) 秋葉原ダイビル5A-2 (JR秋葉原駅)
5月23日(金) 首都大学東京 南大沢キャンパス 8号館 610室 (京王線 南大沢駅)

組織委員: Martin Guest (首都大学東京)
黒須 早苗 (首都大学東京)
酒井 高司 (大阪市立大学)
酒井 洋範 (首都大学東京)

目的: この勉強会は数学ソフトウェアに関する情報交換と 数学を専攻する学生にコンピュータを用いる研究手法を広める ことを目的としています。 勉強会では広い意味での幾何学分野と可視化ソフトウェア"3D-XplorMath" に関する話題が中心となりますが、 他の数学の分野とMapleやMathematicaなど他のソフトウェア に関する話題も含まれます。 主に学部生・大学院生が講演者として招かれます。 各講演(約30分)では数学的な内容の解説とコンピュータを使った側面の 紹介をしてもらいます。 予算に限りはありますが学生参加者には旅費の援助を行うことができます。

5/22は主に学生・大学院生による基本的な数学の内容とコンピュータの手法についての講演が行われます。 5/23はより専門的な話題を取り上げます。


登録方法: 次の情報を添えて酒井高司 (tsakai (at) sci.osaka-cu.ac.jp) まで連絡して下さい。

  1. 氏名、所属、学生の場合は学年、学生以外の場合は職名
  2. 参加予定日(22日のみ、23日のみ、または両日)
  3. 旅費の援助を希望するか(学生のみ)
  4. 講演(約30分)を希望するか(講演を希望する場合、講演タイトルと簡単なアブストラクトを送ってください)

  5. 会場へのアクセス:

    秋葉原ダイビル


    JR秋葉原駅の電気街口を出て


    すぐ目の前です。会場は秋葉原ダイビル5階カンファレンスフロア5A−2です。

    首都大学東京南大沢キャンパス

    京王相模原線 南大沢駅で下車、「三井アウトレットパーク多摩南大沢」を通り抜けてすぐです。 会場は理学部がある8号館の6階、610室です。


    講演者の皆様へ: 5/22の秋葉原ダイビルの会場にはプロジェクターとホワイトボードがありますが、 OHPはありません。 5/23の首都大のセミナー室ではプロジェクター、OHP、黒板が使えます。 どちらの会場でもインターネットは利用できません。


    スケジュール:

    5月22日(木) 秋葉原ダイビル5A-2
    10:00-12:00 松本 響(首都大学東京,D1)
    「平均曲率を保つ等長変形の可視化について」
    田中 友佳子(奈良教育大学,M1)
    「数式処理ソフトMaximaを用いた数学教育における指導法の研究」
    奥原 沙季(首都大学東京,M1)
    「積分曲線の可視化」
    酒井 洋範(首都大学東京,D3)
    「Webを利用した情報交換の方法」
    昼休み
    13:30-16:00 武重 昌吾(首都大学東京,M1)
    「TBA」
    前田 博之(首都大学東京,M1)
    「楕円曲線暗号と数学的ソフトウェア」
    木ノ下 祐輔(神戸大学,M1)
    「梅原・山田著「曲線と曲面(裳華房)」の内容紹介」
    立山 徹大(神戸大学,M2)
    「保存量と平均曲率一定曲面について」
    酒井 高司(大阪市立大学)
    「3D-XplorMath projectの紹介」
    休憩
    17:00-19:00 阿部 拓(首都大学東京,M2)
    「可積分系とその周期性」
    山盛 厚伺(名古屋大学,D1)
    「古典領域の研究におけるMathematicaの利用」
    久能 裕一(首都大学東京,M1)
    「リーマン球面の写像」
    馬場 蔵人(東京理科大学,D3)
    「半単純対称空間の制限ルート系と線形イソトロピー表現について」
    5月23日(金) 首都大学東京南大沢キャンパス8号館610室
    10:30-12:00 Ramiro Carrillo(首都大学東京)
    「Mapleでツイスター パフィアン系の無限小の対称変換の算定」
    Gleb Novitchkov(慶応義塾大学)
    「Using Mathematica for mathematical research」

    ワークショップ終了後に首都大学東京の同会場で幾何学セミナーが行われます。 こちらも合わせてご参加下さい。

    首都大学東京幾何学セミナー:

    5月23日(金) 首都大学東京南大沢キャンパス8号館610室
    14:00-15:00 Robert Sinclair(沖縄科学技術研究基盤整備機構)
    「Doing Mathematical Research with Computational Tools: Closed Asymptotic Curves」
    15:30-16:30 中條 大介(九州大学)
    「A representation formula for indefinite improper affine spheres」
    16:45-17:45 David Brander(神戸大学)
    「CMC surfaces in Minkowski 3-space via loop group methods」

    アブストラクト:

    田中 友佳子「数式処理ソフトMaximaを用いた数学教育における指導法の研究」
    Maximaは数式処理システムの一つであり,高機能なソフトウェアである.簡単な四則演算から, プログラム,グラフ作成を行うことができる.機能の面で,同類の数式処理ソフトである MapleやMathematicaにひけをとらないこと,フリーソフトかつコピーレフトなことから, 今後,学校などの教育現場でも普及が見込まれるソフトウェアであるといえる. 奈良女子大学在学時に,Maximaを活用した数学教育の研究を行い,Maximaのマニュアル作成を行った. マニュアルは,主に中学・高校でMaximaを用いて授業を行う教師に向けて作成した. 本講演では,Maximaの基本操作から,マニュアルについて,数学教育における活用の展望と意義に ついて述べる.
    酒井 洋範「Webを利用した情報交換の方法」
    Webは数学の情報交換に極めて有用なシステムである. Maximaを利用したWebコンテンツの構築方法について概説する.
    前田 博之「楕円曲線暗号と数学的ソフトウェア」
    近年のインターネットの発達に伴い、安心・安全な通信のための情報セキュリティ技術の重要性は増してきている。 本講演では、最近注目されている有限体上の楕円曲線を用いた楕円曲線暗号について、 首都大学東京で開発されているNZMATHという数論アルゴリズム用ソフトウェアにより実装し概説する。
    酒井 高司「3D-XplorMath projectの紹介」
    数学的可視化ソフトウェア"3D-XplorMath"とそれを基にしたweb gallery "Virtual Math Museum"の開発プロジェクトについて紹介します。
    山盛 厚伺「古典領域の研究におけるMathematicaの利用」
    本講演では古典領域上のLaplacian、および今村、岡本、塚本、山盛(2006) によって導入されたgeneralized Laplacianの固有値の計算、またそれらに 関連する計算におけるMathematicaの利用について述べる。
    馬場 蔵人「半単純対称空間の制限ルート系と線形イソトロピー表現について」
    この講演では,半単純対称空間の制限ルート系および佐武図形について解説し, 数式処理ソフトウェアを用いて具体的な半単純対称空間の制限ルート系および佐武図形を決定する. さらに,制限ルート系を用いて半単純対称空間の線形イソトロピー表現の双曲軌道 および楕円軌道の局所軌道型の分類についても解説したい.
    Ramiro Carrillo「Mapleでツイスター パフィアン系の無限小の対称変換の算定」
    Pfaffian systems arising from canonical twistor fbrations admit natural finite-dimensional geometrical groups of symmetries. We will talk about the algebra of infinitesimal symmetries corresponding to those those differential systems that come from twistor fibrations. In particular we use Maple to compute the general expression of such symmetries.
    Robert Sinclair「Doing Mathematical Research with Computational Tools: Closed Asymptotic Curves」
    V.I. Arnold described in quite explicit terms the construction of a closed asymptotic curve on a surface of the form z=f(x,y) in a neighbourhood of the curve (MR1725930: "Topological problems in the theory of asymptotic curves", 1999). He noted also, amongst other things, that one cannot construct such examples if the projection of the curve should be convex in the (x,y) plane. A number of interesting questions arise from this paper. From a mathematical visualisation point of view, one would like to know if it is possible to visualise a curve of the type he constructed. From a pure mathematical point of view, one could ask many questions, such as whether there exists a smooth, unbounded surface of the form z=f(x,y) with a closed asymptotic curve. I will discuss some very preliminary work in such directions, with an emphasis on the need to make or even create appropriate mathematical software to enable visualisation and experimentation.

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